周南市官製談合の背景 競争入札で良い仕事はできない

昨晩、日産のカルロス・ゴーン氏の逮捕のニュースが流れ、
本日の新聞の一面でも「ゴーン日産会長逮捕」となっている。

しかし、報酬90億円という雲の上の話よりも

動物園工事で官製談合容疑 山口・周南市部次長ら逮捕

のニュースの方が、身近な話だ。

私は前職で、
ほぼ100%公共事業のコンサルタント業務をやっていたため、
役所の入札案件には数多くかかわった。

役所の発注は基本的には一般競入札
(資格のある業者は誰でも参加できる)で
一番安く札入れした業者が受注する。

この場合はどの業者が参加するのかは、
事前にはわからない。


もう一つは指名競争入札といって、
役所があらかじめ参加資格を審査して、
入札業者を指名するものだ。

指名競争の場合は、
お互いに参加企業がわかるので、
業者間の談合が起こりやすい。

なぜ、設計金額を教えると罪になるのか?

非公表である工事の設計金額が8901万9000円であることを福谷容疑者に教え、8015万280円で福谷産業に落札させたとしている。入札には11社が参加

産経west 

おそらく、
設計金額の90%以下の金額で入札すると、
”ドボン”になって失格になる。
安い金額の競争になると、
ダンピングで手抜きが出る恐れがあり、
また最近では最低時給の問題もあり、
安すぎるのも失格だ。


だから、設計金額を知っていると、
失格にならないギリギリの金額で落札できる。
最低落札価格が設計金額の90%だとすれば、
今回は8011万7100円以下だと失格だ。

この予定価格を事前に公表する場合もあるが、
その場合は結局くじ引きで受注業者を決めるという、
アンビリーバブルな世界になっている。

公共事業はあの手この手で受注を確実にするための、
裏技が使われる。

それは、
企業経営を運任せにはできない
という基本的な欲求があり、
その制度そのものに矛盾を含んでいるからだ。

オーダーメードの仕事に
価格競争は意味がない。
完成しないと品質はわからない。

グリーンテクノロジーは、
民間会社からの顧問契約で仕事を頂いている。
その際に、

他社と競合させて安い方にする

と言われた場合は、
最初から引き受けない。

完全成功報酬ビジネスなので
そもそも成功しなければ報酬を頂かないからだ。

設備投資に伴う補助金申請は
採択されなければ、
その作業はすべて無駄になる。

限られた時間の中で、
できる案件数は限られる
価格競争で勝負しても意味がない。

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