先日、大阪で企業経営者に向けたサスティナブルコンサルタントを目指すというお題目で講演させてもらった。そこで、参加者から役所の入札で有利になる認証は何が良いかという質問をもらった。
環境管理システムの認証は、20年前からブームになり、ISO14001 とかエコステージ、京都のKESとか、色々乱立していたが、環境省が中小企業向けにISO14001 に相当するものとして、EA21(エコアクション21)という認証制度を設立してから、ISO14001 (こちらは国際規格)より格段に費用が安く済む環境管理システムとしてEA21が人気になった。
しかし、当初は毎年、認証企業が増えていったけれど、この10年は頭打ちである。(環境省資料より)
2013年頃から、認証・登録企業の数は増えていない、新たに認証される企業はあるものの、離脱する企業が同じ数ぐらいあるため、累計数は最盛期の7,946から2024年は7,561と減少傾向だ。
この理由は、毎年継続的改善を要求される審査に耐えられないだけでなく、毎年の審査費用が高額な割に、継続的な効果を実感できないからだと推測される。
ちなみに、グリーンテクノロジーがエコアクション21の取得を支援した企業も半数以上が、自主認証という形に変えて、システムを維持しているのが実態だ。
一時期、国際規格であるSBTiを中小企業が登録しやすい制度として環境省が推していたが、登録の要件が2018年度比で2030年に50%削減という非現実的な値になったため、最近は現実的な経営者は敬遠していると思われる。電力のCO2原単位が小さくなることを期待しても、30%削減程度が現実的であろう。
じゃあ何が、公共事業の入札案件で評価されるのか?
2024 年 1 月 26 日の一般財団法人持続性推進機構エコアクション21中央事務局の「経営事項審査及び都道府県の入札参加における評価」によると
建設業者における脱炭素社会実現のため、環境への取組を適切に評価するといった観点から、政府において 2023 年(令和5年)1月より、経営事項審査に「エコアクション21」が評価対象として追加されています。
国又は国際標準化機構の登録状況
※ISO14001 とエコアクション21の重複加点なし
※「国又は国際標準化機構が定めた規格による登録状況(W8)」は最高で 10 点
都道府県の入札に関しても、多くの場合に加点になっている。
参経営事項審査及び都道府県の入札参加における評価
このことから、いわゆる公共の入札に関して、有利なのはエコアクション21一択と言える。
グリーンテクノロジーは、エコアクション21の構築に必須である環境活動レポートを自動化するシステムを提供しています。自社独自の評価項目なども自由に追加することができます。気になった方は弊社までお問い合わせください。