改めて、環境省によるエコチューニングの定義を見てみよう。
○「エコチューニング」とは、低炭素社会の実現に向けて、
業務用等の建築物から排出される温室効果ガスを削減するため、
建築物の快適性や生産性を確保しつつ、
設備機器・システムの適切な運用改善等を行うことをいいます。
○「エコチューニングにおける運用改善」とは、
エネルギーの使用状況等を詳細に分析し、
軽微な投資で可能となる削減対策も含め、
設備機器・システムを適切に運用することにより
温室効果ガスの排出削減等を行うことをいいます。
○「エコチューニング」は環境省の造語です。
とあり、
単なる運用改善ではない。
いわゆる
我慢の省エネではなく、
快適性や生産性を確保しつつ
省エネに取り組むことである。
このビジネスのメインターゲットは
オフィスビルや商業ビルで
役所言葉で、民生業務系ビルである。
中で働く人やお客さんに
暑い、寒い、暗いなどの
不都合があってはいけない。
そして、中の人は何もしない。
それで、省エネになること。
タネを明かすと、
公共施設の建物などは
設計段階ではオーバースペック
で作られる場合が多く、
冷暖房の能力を100%使うことは少ない。
また、空気の換気は必要以上に行っている。
そこで、CO2濃度計を設置し
人間への影響のない範囲で、換気量を減らし
空調負荷を下げ、省エネを図る。
ということが可能になる。
他にも、エネルギー設備のメンテナンスを
適正に行うことで、省エネに繋がることもある。
家庭で言えば、エアコンのフィルターを
掃除することで、電気代は下がる。
また、春や秋などエアコンが必要ない時期に
コンセントを抜くと待機電力が無くなる。
など、など。
本事業の成果発表で使われたPPを
参照されたい。
省エネは、現場ごとにバリエーションがある。
だから、技術の標準化は難しい。
あるとすれば、
定番メニューの確立である。
でも、それも周知されれば、
誰もが参入できる仕事になる。
そうなると、先行者に旨味がない。
この環境省の事業には
多くの矛盾を含んでいる。
ちなみに、このセンターを受託した組織は、
公益社団法人全国ビルメンテナンス協会です。
東京には国家公務員モドキの組織が沢山あり、
これらを地方に移すと雇用が増えます。
地方創生はそこからでしょう。
次回は本事業に期待することを書きます。