このブログでお伝えした通り、プラスチックリサイクルの世界はパラダイムシフトが起こっている。
バーゼル条約(ゴミを外国に輸出入しない)の品目に廃プラも加えられ、中国を含む、アジアの国々も輸入禁止にしてしまった。
違法な手段で輸出しても、発見されれば送り返されてしまうらしい。
日経新聞によると
環境省は国内で発生するプラスチックごみの全量を原則国内で処理できるように体制を見直す。日本は年約100万トンのプラごみを輸出しているが、5月にまとまった国際的な規制で2021年から輸出できなくなる。国内の自治体や産廃業者による処理は既に逼迫しており、リサイクル設備の導入や紙製品などへの代替などを補助し、新規制に間に合わせる。
環境省は20年度の概算要求で、19年度当初予算の約9割増となる約130億円を関連事業に計上する。プラごみを洗浄したり破砕したりするリサイクル設備の導入補助に約80億円をあてる。自然界で分解するプラスチックや紙製品などの代替品の製造の補助金も4割超増の50億円を計上する。
ということで、補助金も大幅にアップされる様相だ。
自治体では廃プラスチックも可燃ごみとして収集し、焼却処分し、その際にゴミ発電でエネルギーを回収している。
エネルギー回収は
リサイクルなのか?
マテリアルリサイクル(プラスチック再生)は素材ごとの分別が必要であり、洗浄などの水処理や加熱にもエネルギーが使われる。
産廃処理の業界でも、マテリアルリサイクルより、熱回収であるサーマルリサイクルの方が環境負荷が小さいという調査結果を公表したりしている。
しかし、これまでの中国ルートでプラスチックの再生を行っていたのに、国内で燃焼させるのでは、世界のCO2削減の流れに反する。
SDGsに反するものは許されない
という見えないルールがあるため、廃プラの燃焼によるエネルギー回収に補助金が出されることはないと考える。
そもそも、ほとんどのプラスチックは材質ごとに洗浄して溶融すれば元の素材に戻すことのできる 熱可塑性樹脂 である。
プラスチックの種類と用途、物性について https://www.toishi.info/sozai/plastic/index.html
問題は、分別する人間の人件費で、当時、20年前から日本国内では圧縮して、人件費の安い中国に輸出するというビジネスモデルが出来上がった。
再び国内でプラスチックを再資源化するためには、リサイクル事業が成り立つ仕組みが必要である。
今回、環境省が補助金を10倍増やすかもしれないが
その補助金の申請手続きは簡略化できない。
また、国内のリサイクル設備のメーカーは壊滅しており、リサイクル装置は中国など海外から輸入しなければならない。
その場合、電源容量やモーターのインバーター化など国内仕様に改良する必要がある。
グリーンテクノロジーは、補助金申請や機器の導入方法など、リサイクル設備の購入をご検討の事業者をサポートします。