一般廃棄物のレジ袋より産業廃棄物を考えるべき

7月1日から突如として始まったレジ袋の有料化
コンビニだけでなく、パン屋さんや雑貨屋さんでも実施され
消費者にとっては、実質的な値上げとなっている。

消費税アップやコロナ自粛による売り上げの低迷に加えて
消費の低迷要因の一つになることは間違いない。

なぜ、レジ袋有料化が実施されたのか?


レジ袋はゴミ減量化の象徴的な取り組みであり、
実質的な削減効果はほぼ期待できない。

高性能焼却炉(ガス化溶融炉)を持つ自治体にとっては、レジ袋どころか廃プラも問題でないのだ。

では、どこで問題になっているのか?

一般の方は、見えるゴミ(=家庭から排出されるゴミ)に目がいきがちだ。

しかし、廃プラの大部分はペットボトルとか弁当・総菜の容器などで、
その多くは、コンビニエンスストアや自動販売機、サービスエリアに設置されているゴミ箱に捨てられる。

産業廃棄物は一般廃棄物より2桁多い

事業所で排出された廃プラスチックは、産業廃棄物として扱われる。

しかし、産業廃棄物の許可を取ることは難しいので、多くの廃プラスチックは有価物としてリサイクル業者に引き取られ、再資源化されるというのことが建前であった。
ところが、実際には、2年前まで、ほとんどが圧縮減容化され、中国に輸出されていた。

そんな状況の中で、2年前に中国が海外の廃プラスチックを全面的に輸入禁止にしたため、日本をはじめとする欧州など全世界で廃プラスチックの処理が問題になった。

当初、環境省も民間のプラスチックリサイクル装置の設備導入に補助金を付けたが、日本企業には運用のノウハウがなく、取り組みは低迷している。

プラスチックは集められるが、海外に積み出せない状態が続いた、
そのため、日本国内に廃プラスチックが積み上がった。

そして環境省から全国の自治体に出されたのが次の通知である。

廃プラスチック類等に係る処理の円滑化等について(通知)

令 和 元 年 5 月 2 0 日
各都道府県一般廃棄物行政主管部(局)長 殿 各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長 殿
環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課長 廃棄物規制課長 (公印省略 )

廃棄物行政の推進については、かねてより御尽力、御協力いただいているところである。
さて、産業廃棄物に該当する廃プラスチック類については、年間約 700 万トン程度が排 出されているところ、平成 29 年末の中華人民共和国を始めとする外国政府による使用済プ ラスチック等の輸入禁止措置以前は、年間約 150 万トン程度のプラスチックくずが資源と して輸出されていたが、平成 30 年の輸出量は約 100 万トン程度にとどまっているところで ある。これらの影響として、国内で処理される廃プラスチック類等の量が増大したことに より、国内の廃棄物処理施設が逼迫し、廃プラスチック類及び関連する廃棄物の処理に支 障が生じているとの声が多くの産業廃棄物処理業者(以下「処理業者」という。)から寄 せられている。 これまで、環境省においては、廃棄物処理センター等の公共関与の産業廃棄物処理施設 での受入促進を依頼しているほか、プラスチックリサイクル設備の導入に対する補助事業 等を実施しているところであるが、それでもなお、国内での廃プラスチック類の滞留が解 消されず、処理が逼迫している状況である。 こうした状況を踏まえ、下記の事項のとおり、当面の対策について示すこととするので、 御協力願うとともに、貴管内の排出事業者及び処理業者への周知及び指導いただくようお 願いしたい。

https://www.env.go.jp/recycle/pura_tuti_R10520.pdf

これは、産業廃棄物の廃プラも自治体の焼却炉で燃やしてくれということだ。

廃プラはすべて焼却すべきという意見もあるけれど、その能力を持つガス化溶融炉のコストは100億円以上で、民間の事業者には設置できない。

リサイクルできないプラスチックは焼却してエネルギーを回収することが最も合理的であるが、廃棄物行政は、一般廃棄物と産業廃棄物とに対応が分かれていることが最も大きな問題である。

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