環境省は、省エネとコロナ対策を両立する取り組みとして、
大規模感染リスクを低減するための高機能換気設備等の導入支援事業
に府内の
府からの営業休止等の要請に応じた中小企業が運営する飲食店等
に対して、上乗せの補助金を実施している。
環境省の補助金は
中小企業が運営する不特定多数の人が利用する業務用施設
(飲食店等)
に対して、高機能換気設備に対して、補助対象経費1,000万円までに対して、2/3、同時に設置する空調設備やLED照明についても、同額までの補助金を出す事業を公募している。
もちろん、環境省の補助事業は厳正な審査が行われ、費用対効果などで優先順位を付けられ、予算の範囲内で採択が決まる。
ところが、大阪府の上乗せ補助金は、環境省の補助事業に採択された事業者はもれなく、採択されるという仕組みだ。
このやり方には二つの問題がある。
一つは、国の制度にただ乗りする形の補助事業を実施するならその選考過程においても、地域格差が起こり得ることである。
国の補助事業は全国の中小企業に対して公募するわけだけれど、補助率が有利な地域があれば、当然そこからの申請が増えることが考えられる。
そうなれば、採択件数にも地域差が出るだろう。
二つ目は、補助事業とは、自らが支払ったお金のある一定割合がキャッシュバックされる仕組みであり、事業費を抑える方が事業者側にもメリットのあることであり、事業費を膨らませたりして、余計に補助金を獲得しようとすることを防いでいる。
しかし、100%補助金となると、事業者と施工業者が共謀して、事業費を膨らませるようなことがあり得るだろう。
資本主義の世の中で、役所が100%の補助金を出すとなれば、その設備の所有者は事業者本人ではなくなり、公共の設備と考えらる。
万が一でも、その事業者が撤退した時は、大阪府が国から買い上げるつもりだろうか?
資本主義に100%補助金は不要
国の補助金制度に自治体が上乗せする補助事業はいかがなものか?