前回も書いたように、自治体から中小企業向けのエネルギー対策の補助金がでている。
今回は鹿児島県と宮崎県の補助金を紹介する。
鹿児島県の補助金はABCの三つの事業に分かれていて、それぞれ
- A 事業:電気自動車等の充電設備(急速充電設備・普通充電設備等・V2H)
- B事業:発電設備(太陽光発電及び蓄電池、風力発電、小水力発電)・蓄電池燃料電池自動車(FCV)
- C 事業:省エネ設備・エネルギーマネジメントシステム機器
となっていて、省エネ設備更新が対象になっているC事業について説明する。
令和4年度
省エネ設備等導入支援事業
補助金の目的と性格
鹿児島県では中小事業者の省エネルギー対策を促進するため、省エネルギーに資する設備等を導入する鹿児島県内の中小企業者に対し、予算の範囲内において補助金を交付します。鹿児島県の2050 年温室効果ガス実質ゼロの目標達成に貢献する、脱炭素型地域づくりに資するため、地域の温室効果ガス排出量の削減を進める取り組みを進めるものです。これは同時に企業イメージの向上や光熱水費などの経費を削減し、事業者の基礎的な体力の向上をはかることにつながります。
手引きより
公募期間
令和4年6月27日(月)~11月30日(水)
予算がなくなり次第,受付を終了いたします。なお,公募期間終了後も予算額に達していない場合
は,追加で公募する場合があります。
自治体の場合は国の補助金と異なり、独自の申請要件を課する場合も多いけれど、この鹿児島県の場合は、環境マネジメントシステムの認証・登録を受けている事業者を優遇している。ISO14001 とかエコアクション21(ほかにKES,エコステージ)のことです。
区分 | 補助率 | 上限額 |
環境マネジメントシステムの認証・登録を受けている事業所 | 1/2 | 3百万円 |
上記以外の事業所 | 1/3 | 2百万円 |
他にも独自ルールをいくつか挙げると
■補助事業者が別に定める省エネルギー化計画書に位置付けられている省エネ設備等であ
り,かつ,省エネ設備等を設置しようとする事業所全体の省エネ診断を実施した者により提案されたものであること。
■補助金の交付を受けて省エネ設備等を設置しようとする者が自ら所有するものであること。
■導入する省エネ設備等(エネルギーマネジメントシステム機器を除く。)に県内に本社を置く製造業者により最終的な製品として製造されたもの(以下「県内製造品」という。)が含まれる場合にあっては,別表にかかわらず,県内製造品の購入費(設置工事費は含まない。以下同じ。)の補助率は,2分の1以内とし,補助上限額は,別表の補助上限額に県内製造品の購入費に係る補助金算出額(1,000 千円を超える場合には 1,000 千円)を加えた額とする。
自治体の補助金の場合はリース事業者の申請を認めていない場合が多い。県が出す補助金を県外の事業者に使われたくないのであろう。また施工業者や製品も県内の事業者を優遇している。
補助額自体が少額なので、電気代削減には、LED照明やビルマルチエアコンの更新が最も適していると思われる。また高圧受電の事業所ならば、デマンドを下げて基本料金を削減するために電力監視システムの導入が有効である。電高額な見える化装置をリースまたはレンタルしているなら、補助金で安価な監視装置を購入すると維持費が安くなる。飲食店などの小規模事業者でエコアクションなどを認証している事業所は、ほぼ無いので、1/2に当てはまる事業者は少ない。補助金の執行機関になっている団体がエコアクション21の地域事務局のため、普及活動のために付帯条件にしたのだと思う。エコアクション21は認証にお金がかかり、その取得メリットは公共事業の入札条件ぐらいしかないので、今では環境マネジメントシステムを新規で取得する事業所は少ない。むりやり補助金に絡めるのはやめてもらいたいものだ。
詳細は以下にあります。
宮崎県の補助金も説明するつもりだったけれど、今日は時間切れで次回お送りします。
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