技術コンサルタントによる省エネ診断における公共事業と民間ビジネスの違い

今週は、休み明けの火曜日から、
長崎の社会福祉法人の
CO2削減ポテンシャル診断の現地調査のために、

先週末から福岡に来ている。

CO2削減ポテンシャル診断とは
CO2の排出要因と削減可能な量を推計する
いわゆる省エネ診断である。

申請要件を満たして不採択になるのは書類の不備と思われます

省エネ診断の目的は、

受診する事業者に、
エネルギーコスト削減方法を示すことで、
省エネの取り組みを進めてもらうことである。

環境省のCO2削減ポテンシャル診断は、
受診する事業者に調査内容に応じて、
定額の補助金が出る。 

ほとんどの場合、
調査費用の全額が補助金で戻ってくる。

しかし我々診断機関の方は、
受診する民間企業から
直接お金をもらうというスキームになっている。

昨年から、国の行政機関からも
省エネ診断の仕事が発注されているが、

役所の仕事の場合は、
発注の担当者が診断内容に満足していなくても、
仕様書を満たしていれば金は払われる。


(もともと自分の金ではないからとは言わないけど)

しかし、民間企業からお金をもらうためには、
顧客にメリットを感じていただかなければならない。

民間企業が技術コンサルタントである診断機関に求めるものは、
エネルギーに関する専門的な知識であり、
自分たちが何をすればいいかを教えてほしいということである。

CO2削減ポテンシャル診断では、
計測データを基に、そこそこのボリュームの
決められた書式の報告書を作らなければならない。

ところが、
これは、民間企業の経営層が
短時間に読めるものではない。


経営者には時間がない。
的確にポイントを伝えなければならない。

成果品として仕様書を満たしても、
顧客の方は、
期待外れということになりかねない。

また、われわれ診断機関の方も、
診断して終わりでは意味がない。

専属のエネルギーコンサルタントとして、
診断後も顧問契約を頂けることを目指すべきである。

そのために必要なことは

コストの削減

という成果

を出すことである。

役所仕事の省エネ診断は報告書を作ることが目的であり、
実際にコスト削減することに責任も義務もない。

しかし、
民間企業の省エネ診断はコスト削減が目的で
報告書の内容より結果を出すことが重要なのである。



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