太陽光発電設備が補助対象外の自営線による再エネ調達促進事業

太陽光発電のFIT(固定買取制度)が事実上終了してから、自家消費型の太陽光発電設備の補助金が乱立している。弊社も省エネ補助金より、太陽光の補助金支援の依頼の方が増えている状況だ。
太陽光の補助金は似て非なるものが多く、系統立てて整理しないと混乱する。
それぞれの事業に最適な補助事業をターゲットにしたいものである。


太陽光発電に関する主な補助事業を以下に示す。

  1. ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
  2. 需要家主導による太陽光発電導入促進補助金
  3. 駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備(ソーラーカーポート)の導入を行う事業
  4. オフサイトからの自営線による再エネ調達促進事業

以上の4つ、他にも「ため池」とか「営農」とかの補助金があるけれど、適用が難しく、この4つの補助金が事業化という面では現実的である。


最初に、実施された1のストレージパリティは発電容量1kWあたり4万円と工事費一件あたり10万円という設定で、補助金額の面では物足りないものであるが、今までのFITが通用しなくなったため、産業用をターゲットに太陽光の事業者が殺到した。
特にPPA事業の場合は補助金が25%増しで、申請案件もほとんど採択されていた。

ところが、昨年度の本予算5次募集では、予算額の倍以上の申請があったので、次の補正(PPAの特例なし)にも押さえとして申請してくれというメールがすべての申請者に配信された。

今後は大型案件(2kW以上)は2番めの需要家主導による補助金に移行していく、なんと言っても補助率が1/2となっているからだ。なぜ大型案件ほど補助率が高くなる設定をしているのか?
カーボンニュートラルを目指すとすれば、原発か再生可能エネルギーしかないので、太陽光発電の設備容量を最大限増やすという政府方針のためだろう。

3の駐車場の補助金は、ソーラーカーポートが建築物であることから、関係機関との調整が必要になり、短期の計画が難しく、初年度は申請が少なかったけれど、すでに様々なメーカーがソーラーカーポートを開発しており、今後は申請が増加するだろう。

そして、4のオフサイトからの自営線の補助金については、突如追加された。
なんと、太陽光発電設備は補助対象外で、自営線と蓄電池、EMS、受変電設備に対する1/3の補助金である。パネルは安くなっても、自営線を設置するためのコストは予想以上に掛かる。すでに事業所の敷地内での利用が困難になっている場合に、周辺の土地を利用して自家消費の太陽光を導入する事業者も増えるのではないだろうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です