熊本の地震で
九州の地熱資源開発は
先行き不透明になっている。
標題の助成金交付事業について、
4月1日に採択案件の発表があった。
なお、この助成金交付事業は
公募期間:平成28年3月3日(木)~平成28年11月30日(水)
となっているので、
説明会は終了しているが、
公募は、現在も随時受け付けている。
今回採択されたのは次の4件
①阿女鱒岳地域地熱資源開発調査事業(北海道余市郡赤井川村):大規模開発(重点開発検討地域)
助成事業者:出光興産株式会社、国際石油開発帝石株式会社、三井石油開発株式会社
代表申請者:出光興産株式会社
住所:東京都千代田区丸の内三丁目1番1号
②小安地域地熱資源開発調査事業(秋田県湯沢市):大規模開発
助成事業者:出光興産株式会社、国際石油開発帝石株式会社、三井石油開発株式会社
代表申請者:出光興産株式会社
住所:東京都千代田区丸の内三丁目1番1号
③武佐岳地域地熱開発資源調査事業(北海道標津郡標津町)
助成事業者:石油資源開発株式会社、三菱マテリアル株式会社、三菱瓦斯化学株式会社
代表申請者:石油資源開発株式会社
住所:東京都千代田区丸の内一丁目7番12号サピアタワー
④木地山・下の岱地域地熱資源開発調査事業(秋田県湯沢市)
助成事業者:東北自然エネルギー株式会社
住所:宮城県仙台市青葉区一番町三丁目7番1号
採択された地域は
北海道2県と秋田県2件である。
この助成金は、
地熱発電を行う為の、
調査や準備のコストを国が助成する制度である。
発電所自体の建設費はFITを利用する場合、自己資金
もちろん、
申請前に地主、周辺自治体や住民との
合意形成が必要になる。
地元の事業者が申請すると
補助率がアップする仕組みになっているが、
今回採択の中では、
④の東北自然エネルギー株式会社のみ
対象とみられる。
改めて、
平成28年2月29日 付けの
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 地熱部
による
平成28年度地熱資源開発調査事業費助成金交付事業の公募について
をみてみると、
助成事業の背景・目的
我が国のエネルギー安定供給の確保や適切なエネルギー需給構造の構築を図るために再生可能エネルギーの導入拡大が喫緊の課題となっています。
特に、地熱発電については、季節や天候に左右されず、年間を通じて安定的に発電可能なベースロード電源としての重要な役割が期待されています。
一方、地熱資源開発は地下に賦存する地熱資源を掘り当てるという高度な技術を要する調査段階を経る必要があり、これが開発に係るリスクやコストを引き上げています。
機構では、我が国の地熱資源が発電を目的として有効に活用されるよう、地熱資源開発事業者等(※1)及び地元の地熱関係法人等(※2)が有望な地熱開発地点において行う地熱資源量を確認するための地質調査や地下構造を把握するための掘削調査などの初期段階の調査事業を支援することにより、地熱資源特有の開発リスクやコストの軽減を図
り、我が国の地熱資源開発の取組を促進します。
(※1)「地熱資源開発事業者等」とは、地元の地熱関係法人等以外で地熱資源開発事業を行う法人等をいう。
(※2)「地元の地熱関係法人等」とは、地熱資源(地熱により得られたエネルギーを含む。)を直接利用して、地元の地域活性化につながる事業を行う法人等をいう。
となっている。
地熱発電所の開発は、長期間のビッグプロジェクトになり、
地質や地熱に関する知識と経験が無ければ難しいと思われる。
地熱の調査は、
基本的に、温泉の調査とそんにに変わらない技術である。
しかし、
住民の合意形成や環境アセスメントなどの
法的手続きが必要になるので、
最終処分場などの迷惑施設の建設の
コンサルタントの経験が生きるかもしれない。
補助金付きであっても、
その調査費用は、前払いで、一旦自前で払うので、
数億円の資金は必要になるだろう。
平成28年度地熱資源開発調査事業費助成金交付事業の公募について[2016/3/18訂正版]
http://www.jogmec.go.jp/news/bid/bid_06_000371.html