COP21 自治体の削減計画は家庭部門に限定せよ

昨日COP21で「パリ協定」が決議された、
これが、温暖化問題の議論の契機になればと思う。

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ここ数年の日本は、地球温暖化の事を忘れていた。

IPCCの報告書を信じるならば、このままの状況を続けると、
我々の子や孫の代には、気温上昇で、海面が上昇し、

人類の生存さえ危ぶまれる事態になる。

 

私は、人類が地球上で一日でも長く生き残るためには、
どうすれば良いかという、環境問題をライフワークにしている。

結局日本は、
京都議定書の目標を海外からの排出枠を買い取る、
という制度を利用して、クリアしている。

最終目標年度の2012年度に、原子力発電所がすべて停止し、
電気のCO2排出原単位が大幅アップした。
しかし、その対策は無かったから、

お金で解決する事を容認した。

 

高名なジャーナリストである田原総一郎氏ですら

「温暖化懐疑論」に感染して、温暖化問題を議論しなくなった。

原子力発電所の事故の話をした方が、
視聴率が取れるからだろう。

しかし、温室効果ガスの問題はなくなった訳ではない。

温室効果ガスの排出量の95%以上がエネルギー起原といわれ、
それは、化石燃料を燃やす事によるCO2の排出である。

日本では、米国のシェールガスの影響で、
ガソリン価格が下落し、喜んでいる人が多い。

しかし、
それだけ石油の産出量が増えており、世界中で、
その分の化石燃料を消費していると考えられる。

今回の、COP21について、新聞の見出しには、
すべての国が、温室効果ガスの削減に取り組むと書いてある。

これが分かりにくい。

取り組むとは、目標を持って計画を作ることであり、
目標を守ることを義務付けしていない。

だから、実効性は分からないのが本当のところだ。

安倍首相は、
日本が排出する温暖化ガスを2030年までに
13年比で26%削減する目標を国連に提出している。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002311.html

 

日本が、その目標を達成するために、

 

いつもの手順だと、

国が、各自治体(都道府県と政令指定都市)を集めて、
地域ごとの削減目標を作らせる。

しかし、

自治体で温暖化ガスの削減はできない。

 

私は、その計画策定の仕事をやっていた。

自治体の計画には、意味がないのだ。

例えば、

広島市は排出量を大幅に削減しているが、
これは広島大学の移転広島空港の移転が要因であり、
自己の努力ではない。

排出量削減と、市の衰退がリンクしている。

広島県での排出量は、50%以上、JFEスチールが排出元であり、
工場の統合で排出量が大幅増加した。

これも県の施策では制御できない。

福岡県は、排出量を大幅に削減する計画を作ったが、
その根拠は、九州電力が原子力発電の割合を増やすことであった。

このように、
地域内の温室効果ガスの排出量は、
自治体がコントロールできるものではない。

だから、
自治体の地域計画は、民生家庭部門である、
戸建て住宅と集合住宅及び、公共の施設だけに限定すべきであり、
業務部門や産業部門は、それぞれの企業に任せるべきだと考える。

企業に任せるためには、
環境省または経産省が、直接、支援していくのがよいだろう。

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