スマートコミュニティ構想が幻想に終わった理由(経産省が書けない真実) morishita 2016 年 8 月 9 日 2016 年 8 月 9 日 スマートコミュニティ構想が幻想に終わった理由(経産省が書けない真実) へのコメントはまだありません 経済産業省の事業で スマートコミュニティ構想普及 支援事業費補助金 という補助事業があった。 本事業は東日本震災以降に 発電量が限られている状況では、 エネルギーの需要家側の制御が重要である との認識が広がり、 地域一体となった エネルギーマネジメントが必要だ。 ということで、 その構想の策定に補助金を出した。 その内容とは、 地域でのエネルギー需給の管理 (エネルギーマネジメント)に関する調査 として、 ①省エネルギーや負荷平準化、 再生可能エネルギーの出力変動に対応するため、 蓄電池等の蓄エネ設備や CEMS、BEMS、MEMS、HEMS等を用いて 地域のエネルギー需給の管理 を行う方策とその事業計画策定に係る調査 (顧客・提供するサービスや、コスト、 収益構造、投資回収年数等の事業採算性)) いわゆるFS調査 ②ディマンドリスポンスをはじめとする、 地域のエネルギー需給の管理 を行う方策とその事業計画策定に係る調査 (顧客・提供するサービスや、コスト、 収益構造、投資回収年数等の事業採算性) しかし、 ほとんど事業化まで至らず、 単にコンサルタントの飯の種になった。 そして、その補助金は名前を変えて 地産地消型再生可能エネルギー 面的利用等推進事業 として継続されている。 国の事業は一旦走ると止められない 公募の業内容は、 ほとんど変わらないが、 その名の通り、 発電事業や熱供給事業の話ばかりで、 地域でのエネルギー需給の管理 ではなくなった。 なぜ、スマートコミュニティは失敗したか。 経産省の官僚は失敗とは認めないだろうが、 平成26年4月24日に出された、 我が国のスマートコミュニティ事業の現状 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004633/pdf/016_02_00.pdf に調査結果が示されているが、 これは、本質ではない。 この問題の本質は、 電力会社が 一契約ごとのデマンドで基本料を決める 料金システムであるから 地域全体でのデマンドを抑えても 電気料金を下げることは出来ない。 この一点に尽きる。 そして、 電力会社は、 自治体などが特定のエリアで 特別高圧等で共同受電することを 禁止している。 だから、デマンドレスポンスは 事業として成り立たないのだ。 このことを、 理解していないとするなら、 経済産業省には残念ながら 電力改革はできない。 電力業界は独占であったため、 官僚にほとんど専門家がいない。 私の意見が理解できる方は メッセージを頂きたい。 一緒にエネルギー革命をやろう。