地方の中心街には、
もともと自宅であった土地にビルを建てて、
オーナー自らが最上階に住居をつくり、
下層の階を事務所や店舗で貸している
小規模テナントビルが多くある。
中小の事務所ビルでは、
省エネ設備投資が進まない。
なぜなら、
空調設備や照明器具などのエネルギー機器は、
ビルオーナーの持ち物である。
そして、
電気代は個別メーターにより、
事務所を借りている店子の事業者が払う。
そのため、
省エネ設備投資の本来のメリットである
電気代の削減がオーナーの利益にならない。
だから、
エアコンも機能が失われない限り、
更新されることがない。
小規模のビルオーナーは事実上個人経営であり、
空室にならない限り、
設備投資をできるだけ抑えたいと思っている。
例外的に、
店子が出ていってしまった場合のみ、
次のお客を呼ぶために、リフォームする。
イニシャルコストとランニングコストを
別々の主体が払う形態であることが、
根本的な問題なのだ。
そのような課題があり、
省エネが進まないテナントビルであるが、
数年前から東京都では
中小テナントビル省エネ改修効果見える化プロジェクト
http://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/visuralize/
で、2000万円の補助金を出して、省エネ設備改修を行っている。
そして、それを追いかけるように、
環境省もテナントビルに補助金を付けた。
業務用ビル等における省C02促進事業
(一部経済産業省・国土交通省連携事業)
最近は、
東京都の施策が、国の一歩も二歩も前を進んでいる。
テナントビルを省エネすることの意義はわかるが、
もっと単純な仕組みにならないものかと思う。