省エネ診断のポイント:冬の電気代を下げる

昨日まで、平成4年補正予算の「中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業」の仕事で、充実した日々を過ごしていました。

今回の診断業務は、配電盤からの消費電力の計測もなく、ヒアリングとウォークスルーで省エネ対策とその効果をリストアップするという内容でした。しかも、「照明だけ」とか、「空調だけ」とか「デマンドだけ」という、設備単位の診断もOKとなっていました。

特定の商品を売るメーカーの人間ではない限り、省エネルギーの専門家なら、せっかく現場に行って「照明だけ」をアドバイスしてくるというのは、普通はやらないのではないか? 省エネ診断の場合は、現状調査から課題を発見し、対策を提案するのに対して、最初から対象の設備が分かっているのなら、メーカーの売り込みと同じになってしまう。また、SIIの診断の報酬は、単純に1設備単位だと48,000円、3設備以上だと144,4000円、となっているのだけれど、現場までの往復の移動に要する時間は同じ、効率を考えると単設備の診断は遠距離ならお断りしたいところだけど、対応表のメニューに入れている限りは、断ることもできない。そのため最後の方には単設備の省エネ診断は、当社のメニューからは外させてもらった。

もう一つ経産省の診断メニューに注文を付けるとしたら、冬の電気代を削減するためには、暖房の方式や空調機の省エネ性能も重要であるが、それ以上に断熱性能や換気の状態がポイントになってくる。経産省の対策メニューはエネルギー機器だけになっているのだけれど、近年の日本では夏も冬もエアコンを使う、そのため建物の断熱性能がより重要になっているのである。

ペアガラス(複層ガラス)に更新すると、極端に言えば、場合によってはエアコンの消費電力は半分以下になる。

今年度、新たに環境省、経産省、国土交通省の共同の補助金「脱炭素ビルリノベ」が計画されている。内容は、公募要領が出てみないとわからないけれど、建物断熱の重要性が認識されたのだと思われます。

業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(脱炭素ビルリノベ事業)について

 建築物分野において、2050年の目指す姿(ストック平均でZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保)を達成するためには、CO2削減ポテンシャルが大きい既存建築物への対策が不可欠です。
 本事業では、既存建築物の改修における外皮の高断熱化と高効率空調機器等の導入加速を支援することにより、価格低減による産業競争力強化・経済成長と、商業施設や教育施設などを含む建築物からの温室効果ガスの排出削減を共に実現し、更に健康性、快適性などを改善させることで、くらしの質の向上を図ります。

環境省HP

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