環境省は、SBTのガイドラインにおいて、スコープ3の算定方法について、これまでの原単位法から、実測値を使った計算方法を推奨するという話だ。
環境省は2024年3月をめどに、企業や組織の温室効果ガス(GHG)の排出量のうち「スコープ3」(間接排出)について、「一次データ」(実測値)を使った算定方法の方針を示すことが明らかになった。これまで国内では売上高や取引高と業種平均(産業連関表ベース)の排出係数を基にした推計値によってスコープ3を算定していた。これを一次データに切り替えることで、企業は規模や業種を問わず、「真の脱炭素」を求められることになる。(オルタナS編集長=池田 真隆)
私は、学生時代からGHG(温室効果ガス)の計算方法について研究しており、社会資本整備に関するLCAの計算をテーマにしていた。建設関連の部材のそれぞれのCO2排出量は直接計算できないので、原単位法というのは産業連関表から、各分野ごとの取引を加味してその分野の単価あたりのCO2排出量(原単位)を計算する方法である。その原単位に金額ベースまたは重さ単位の数値(活動量)を乗じて全体のCO2排出量を求めるのである。
しかし、この方法では個別の企業ごと製品ごとのCO2削減の取り組みや効果を加味することができないので、業界全体の平均値の改善がなければ、数値を改善することができない。
当然、目標達成のためのKPI(業績管理評価のための重要な指標)には使えない。
理想的には、すべてのプロダクツを生産した工場のエネルギー消費量から製品ごとのCO2排出量を実測する方が良い。しかしそのためには、膨大なデータ収集作業や計測器の設置が必要になる。
グリーンテクノロジーのグリーンビスは、もともと多拠点事業所のCO2算定のためのシステムであったので、この仕組みを自社の拠点だけでなく、取引のある関連事業者に拡げれば、この実測データの管理にも問題なく対応可能であり、スコープ3の計算が可能である。
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