昨日、中小起業家同友会の経営フォーラム2016がリーガロイヤルホテル広島で行われた。
私は、その中で「廿日市市産業基本条例を地域に広げるには」というテーマの分科会に参加した。
参加者は60人程度、一応、テキストとして廿日市産業振興ビジョンの概要版が配られた。
全編カラーのA4サイズ8ページの折込式(開いたらA3サイズを2枚繋げた形)だ。
https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/soshiki/25/19296.html
説明者は、廿日市市 環境産業部 部長 永田英嗣。
イラスト図だらけで、カラフルだけど、眺めるだけしかできない。
中身が全然わからないのだ。
少なくとも経営者ばかりの集まりで、知識レベルも一定以上の勉強会で、概要版では意味がない。
白黒でもいいので、本編を配ってほしかった。
紙代は安いもんじゃろ本編もわずか60ページ?
私は、自宅が廿日市市なので、大変興味深く、会社に帰ってから本編をダウンロードして読んでみた。
この手の報告書の基本流れは、最初に目的や意義から始まり
1.現状分析
2.課題
3.対策の方向性
4.具多的な施策
というストーリーだ。
私は、地元なので、現状分析に最も興味があった。
セオリー通り、既存資料調査と市内事業者のアンケート調査、ヒアリング調査が実施されている。
そこから、いきなり課題が出てくるわけだが、この流れに違和感を持った。
本来、企業が成長を目指すなら、「選択と集中」が基本中の基本。
しかしながら、
役所の作るビジョンは、悪い点、伸び悩んでいる部分を抽出して、そこに施策を打つやり方であり、これは平均点を上げる手法でしかない。
廿日市市は、隣に政令市の広島市があり、そこに対してユニークな特徴を出さなければ存在意義がない。そうなれば、広島市に吸収されてしまうだろう。
廿日市市の良い部分をピックアップして、そこにリソースを集中させるべきじゃないだろうか。
廿日市市には、宮島という宝があり、けん玉というキラーコンテンツがある。
なにより、豊かな自然があり、バイオマスエネルギーの潜在能力がある。
環境産業部という名前に期待していたけど、再生エネルギーの話はナッシング。
地方の市町村では、人口減少が最も大きなテーマになっている。
廿日市市でも一部のエリアを除けば、過疎地と言ってもいい状態だ。
しかし、産業振興の面から言えば、これは大チャンスだ。
一次産業、二次産業は既に機械化が進み、これからAI、ロボット、IoTで、ますます少人数で最大の生産量を目指す方向になるだろう。
そうなれば、人が少ないほうが、一人当たりの生産性は上がっていく、当然、収入も増えるだろう。
過疎地は、都市部へモノを売ることで、生きていく道がある。
当然、モノだけじゃなくエネルギーも売れる。
消費を担う都市と生産を担う地方の二極化がますます進んでいくだろう。
私は、地方のベンチャー起業家として、地方の存在意義を考え続けていきたい。