鳩山次期総理が1990年比で25%の温室効果ガスの削減を発表した。
これに対して、経済界は反発している。
国民の負担が増加すると予測されるらしい。
削減の可能性について、太陽光発電や電気自動車の普及など、ニューテクノロジーに関することは、政府が試算しているので、改めて私が述べるまでもない。
しかし、公式会見では絶対に触れられないことを見逃してはいけない。
それは、日本経済の規模が縮小するという視点である。
日本は、これから少子高齢化で人口は急激に減少していく、しかも都市部に集中し、とりわけ東京を中心とする首都圏に一極集中していくだろう。
企業も業績に関係なく、東京に本社を移転し、ベンチャー企業もほとんどが東京で生まれている。
また、若者のクルマ離れにより、自動車保有台数は減少している。
核家族から、さらに単身生活の増加で世帯数は増えているが、一戸建ての需要はなくなり、アパート、マンションの割合が大きくなっていくであろう。
そのような状況の中で、更なるエネルギー需要があるのだろうか?
今は、100年に一度の経済危機といわれるが、2020年までに、景気が右肩上がりに良くなり続けるという前提も信じられない。
以上のことは、国民総生産の拡大を前提とする立場の人には、語られないことである。
大幅な削減に、経済界に反論があるとしても、化石燃料からの脱却について、異論がある人はいない。
未来は、再生可能エネルギーで生きていかなければならないのだから。