某団体から地域エネルギーの計画業務を依頼された。
目的は冷凍冷蔵倉庫の非常用電源の確保ということだが、調査のタイトルは地域エネルギーネットワークの検討である。
クライアントと話をしても、
どうもしっくりこない
こちらが作った企画書に
何度もダメ出しを食らう。
その設備は2年後の稼働を目指していると聞いていたので、
その目的に沿った補助事業のメニューの中から最適なものを選んで提案しているつもりだった。
ところが、何度か打ち合わせを繰り返しているうちに、先方の方がしびれを切らして、こんな計画を考えていると一枚の紙を渡された。
なんとそこには
水素貯蔵タンクから
燃料電池
というイメージが書いてあった。
数年前から、環境分野の学会やシンポジウムでも水素をテーマにした発表が続出している。
20年前にも水素の貯蔵技術の研究はされていた。
ところが、水素は宇宙最小の分子であり、そのままの状態で貯蔵することはできない。液化するためには超低温状態にしなければならない。
もっともヤバいのは爆発のリスクがあることだ。(福島原発も水素爆発)
まだまだ、実用化段階ではなく、実験段階の技術であり、コスト的に見合うことはありえない。
しかし、
これだけ一般の人にアピールすると、いかにも次は
水素社会がやってくる
と思い込んでいる方も多くなってきた。
2年後の民間施設に導入できるレベルではないことは専門家ならわかっているが、そのことを説明することから仕事にしなければならないだろう。
水素はエネルギー源ではなく、二次エネルギーであり、極めて貯蔵が難しい物質なのである。
研究費を取るための研究をしていると
日本が世界に遅れていしまいますよ。