CO2の削減は、現在の省エネ法と関係がない。
省エネ法では、エネルギーの使用量を原油換算して表記する。
あくまでも、化石燃料の削減を目的としている。
しかし、世界の潮流はカーボンニュートラルの実現に舵を切った。
CO2を削減し、カーボンニュートラルを目指すためには、再生可能エネルギーの導入が不可欠だ。現在企業を規制する省エネ法では、化石燃料由来のエネルギーしか対象にしていない。
省エネ法はカーボンニュートラルとは直接関係のない制度になっている。
そのため、自社で使っている電気をCO2排出係数の小さい電力に変更しても、省エネには反映されない。(参考値としてはCO2排出量を計算する)
カーボンニュートラルを目指すには、エネルギーの削減とともに再生可能エネルギーの割合を増やすという両面作戦が必要になる。
経済産業省は省エネ法の目的を「エネルギー安全保障」から「カーボンニュートラル」に切り替えようとしている。来年度中には改正が予定されている。
エネルギーの定義が変更される
現在、審議会で検討されている資料を見ると、エネルギーの定義の見直しという衝撃的な言葉があり、太陽光発電の電力=非化石エネルギーも使用の合理化の対象になる。
また、電気の一次エネルギー換算係数(化石燃料の割合を示す)を全国一律の全電源平均係数を使うとある。
すなわち、今後はすべてのエネルギーの削減とともに原子力を含めた非化石エネルギーの導入拡大という両面作戦になっていくのである。
もちろん、非化石=再生可能という意味ではないことは、ご注意いただきたい。
一方で、国際的なイニシアチブではRE=100とかSBTとか省エネ法とは全く次元の違う目標を要求している。日本政府もパリ協定で同レベルの目標値を公表しているわけであるから、現在の省エネ法との乖離をどう説明するのであろうか?